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企業のソーシャルメディア活用ケーススタディ#1 TOYOTA 「86シリーズ」

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読了時間7分

今日はソーシャルメディアを活用したマーケティング事例として、TOYOTAをクローズアップ!川崎ちゃんが記事を執筆してくれました。


こんにちは。ソシャマノートFacebookページ運用を担当しています、川崎と言います。今回はトヨタ自動車が2012年2月に発売したスポーツカー「トヨタ・86」のプロモーションを、私が出来る範囲ですが考察してみました。


トヨタ・86シリーズとは

プロモーションを考察する前に、まずはブランド・商材を理解するため「トヨタ・86」について調べたことをまとめます。

「トヨタ・86」は、トヨタ自動車が富士重工業(スバル)と共同開発し、富士重工業が生産、トヨタ自動車が販売するスポーツカー。2012年2月2日に発表され、4月6日から全国で発売されました。

「トヨタ・86」開発の背景

一般的にスポーツカーはニッチな商品なので投資効率が悪いと言われています。熱烈なファンはいるもののターゲットの母数が少ないため、販売後しばらくすると売れなくなってしまうそうです。(ロングセラーにならなければ、開発費の回収は難しくなる)
何故トヨタは今回スポーツカーを売りだすことにしたのでしょうか??

理由は「若者の車離れ」に対する危機感だったそうです。近頃は車に対して、多機能や効率を重視する傾向があります。
しかし社内から「効率重視の車ばかりが増えて、本来あった車の楽しみ方 (車を運転する楽しさや、モノを操るワクワク感)が薄れてきているのでは?」「機能性や効率ではなく、走る楽しさを広めれば若年層に興味をもってもらえるのではないか」といった意見が出てき始めました。
そして2007年、全役員が集まる会議で『もうかる、もうからないに関係なく、みんなが買える、走りそのものを楽しめる車(スポーツカー)をつくろう』という結論に至ったそうです。

ロングセラー商品のコンセプトを継承した「86」

「トヨタ・86(ハチロク)」には元々モデルとなった車があります。

1983年に同じくトヨタ自動車が発売した「AE86」というスポーツカーです。「AE86」はチューニングのし易さから、スポーツカーにも関わらず長い間人気を誇った車です。「AE86」の「自分だけの1台を楽しみながら育てる」精神を継承し、「トヨタ・86(ハチロク)」は「ドライバーともに進化する」スポーツカーを目指して開発されました。そのためファンの間からは「ハチロク復活」や「新ハチロク」という愛称で呼ばれたりもしています。

ターゲット

メインターゲットは、かつてAE86(ハチロク)に乗っていた、あるいは憧れていた40歳代から50歳代の男性です。
ただし元々のねらいは「若者の車離れ対策」。価格も若年層が購入できるよう低価格に設定されているため、長期目線では、メインターゲットの子供に対する訴求も狙っている事が考えられます。

販売価格

販売価格は、ベースグレードの「RC」で199万円、標準グレードの「G」で241万円、上級グレードの「GT」では279万円、最上級グレードの「GT “Limited”」は305万円となっています。

販売実績

販売実績はとても好調のようで、2012年2月の発表から約1ヶ月間で月間販売目標の7倍に当たる7千台を受注。(海外展開も行っていくとか)

 

ここまでの調べで、開発者の熱意や事業としての力の入れようにも並々ならぬものを感じます。
車好きやにとってはスポーツカーの販売自体が少い状態だったため「86(ハチロク)」の発売はビッグニュース、まさに「待ってました!!!!」という感じだったのではないでしょうか。発売前からターゲット層の注目も相当集まっていた事が伺えます。

「トヨタ・86」のプロモーション

「トヨタ・86」のプロモーションは、ターゲットが限定されているので大体的にキャンペーンを行って数をとっていく方法は向きません。入口を狭めてターゲットのツボをついたコンテンツを用意する方が効果的です。スポーツカーとしては低価格ですが、高額な買い物なので長期的にアプローチし続ける必要もありそうです。

また高額な買い物の場合、消費者は特に下調べと検討を重ねます。自分と同じように購入を検討している人や既に購入した人の「商品」に対する評価や意見は、決断を後押しする重要な情報となります。したがってファン同士の意見交流が活発になるようにすることが大切です。

問題は「トヨタ・86」の場合、ファンが点在していて商品や車に関する話題を他のファンと共有しづらい事です。イベントやメディアで「トヨタ・86」の情報をニュースとして知る事はできますが、自分と同じように関心を持つ人を見つけるのは難しい。

では、実際にどのような取り組みをされているのでしょうか?トヨタ自動車が運営する、Web上のメディアをまとめてみました。

主なメディアは(1)トヨタ・86の公式サイト(2)Facebook連携のアプリサイト(3)Facebookページがあり、最終的な落とし所はコーポレートサイトからの店舗送客になっています。それぞれのメディアの特徴や使われ方をみていきましょう。

(1)「トヨタ・86」公式サイト:消費者が最初に情報をとりにくる場所


ニュースやイベントで「86」の事を知った人がまず最初に訪れてくる場所です。製品のコンセプト・価格・機能などの基本情報など「86(ハチロク)」の情報が網羅されています。

サイト内のコンテンツにはほとんど「いいね!」ボタンが設置されており、ターゲットは自分と同じ車好きな人が「86(ハチロク)」の何に関心が有り、どのような感想をもっているかを簡単に知ることが出来ます。

(2)Facebook連携のアプリサイト「86 SOCIETY」:消費者がつながり、車の楽しさを共有する場所


こちらはFacebookと連携したアプリ。ここでは直接「86(ハチロク)」の紹介をするのではなく、「車を楽しむ場」として使われています。

みんなで「オススメの峠ランキング」を作るコンテンツ、ドライバー同士が情報交換ができる掲示板が用意されています。スレッドも頻繁にたてられていて、交流が活発です。
同じエリアにいるのドライバーとも簡単に知り合う事が出来ます。この「86 SOCIETY」はまさしくファン同士が集まってつながる、「コミュニティ」を形成しています。

(3)Facebookページ:消費者同士の意見交流と情報収集の場


Facebookページではよりマメな情報発信がされています。
このページのすごいところは、投稿に対するファンの反応がとても積極的だという事です。よく見てみると投稿内容に秘訣がありそうです。ファンが話題にして盛り上がるようなネタの提供や問いかけをしています。投稿があるとファンは次々と自分の意見を書き込んでいきます。
こういった積極的な書き込みは、運営者にとってはもちろんのことファンにとっても貴重な情報です。みんなが「何を良いと思っているか」「何に不満があるのか」を知ることで、購入の決断をしやすくなります。

ソーシャルメディアの活かしどころ

ソーシャルメディアと連携した複数のメディアが運営されていますが、それぞれの使われ方を要約すると次の3つにまとめることができます。 

(1)「集まってきたターゲットをつなげてコミュニティを形成する事」
(2)「活発な意見交換が行われるよう、ターゲットが盛り上がる話題を提供し続ける事」
(3)「話題が増幅して、『トヨタ・86っていいよね』と思う人(潜在的なターゲット)を増やす事」

 
Youtubeにも動画が上げられていますが、活用している主なソーシャルメディアは今のところFacebookのみのようです。もし本当に上の3つを意図してプロモーションを考えていた場合、既存のメディアを使うのであればFacebookを使うのが最適といえます。(逆算になりますが)
狭く・濃く・熱いつながりを作るにはTwitterでは難しそうですし、mixiにはメインターゲットとしている40代~50代男性は他の2つのと比較すると少なめです。

イベント開催や実店舗でのキャンペーンも

またWebだけではなく、実店舗での取り組みも。
「AREA86」と呼ばれるいくつかの店舗では「86(ハチロク)」専門スタッフが常駐し対応してくれます。(「スポーツカー好きが集う大人のたまり場」として、店舗のメディア化をしている)

キャンペーンも実施中です。
気になる人は要チェック!! 「トヨタ 86」無料試乗キャンペーン!!

会社は違いますが、オリックス自動車でもキャンペーンが行われています。
オリックス自動車、トヨタ「86」とスバル「BRZ」のレンタカーキャンペーンを開始

発売前にはイベントでの試乗会も実施されてました。
トヨタ「86」に乗るチャンス! お台場モーターフェスティバルで試乗会

まとめ

この取り組みでトヨタ自動車は、「86」を媒介として「スポーツカー文化」を長期的に育てる地盤を作ったのではないかと思います。車のようにターゲットも限定されていて高単価な商品は、ソーシャルメディアの活用が難しいのではないかと思っていました。(今もそう思います。)けれど「使う意義はある」と言えるのではないでしょうか?ソーシャルメディアの活用にとって重要なのは「市場の状態や商品の特徴、そしてお客様のことを理解した上で、コミュニケーションを設計をする事」だと感じさせられる事例でした。

うーん。なるほど…商品の特徴や背景によってソーシャルメディアの活かし所も変わってくるんだね。


うん。これまではソーシャルメディアのみに焦点をあてた事例紹介をしていたのだけれど、今回は商品の単価・開発企画の背景も調べ視野を少し広げてみました。とても勉強になります。


全部を調べるのは中々大変そうだけど、このケーススタディはぜひ続けて欲しいと思います。川崎ちゃん、今日はどうもありがとう。



 

本日はここまで。みなさん最後まで読んで頂きありがとうございました。次回もよろしくお願いします!


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作成者: このみ

㈱マイネット デザイン業務の傍らソシャマノートブログとそのFacebookページを運営。楽しくワクワクするような事を追いかけたい!

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