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今回も株式会社フーモアの芝辻さんが執筆して下さいました。今回は人気タイトルのイラストを分析しています。それではよろしくお願いします。
こんにちは!芝辻です。ファルキューレの紋章を始め、萌テイストなイラストを中心に制作をして来ましたが、ソーシャルゲームは神撃のバハムートのような超美麗系でリアルテイストなイラストから、探検ドリランドのような2等身でデフォルメのかかったイラストまで様々なテイストのイラストが存在します。今回は人気タイトルのイラストを拝見させて頂き、どのようにしてイラストが制作されているかを分析しました。
テレビCMでもおなじみの探検ドリランドは、GREEの大人気ゲームです。イラストは2等身でデフォルメされており、昔流行ったビックリマンシールのキャラのような可愛いテイストになっています。ハンターカードは1日1回無料で引ける「ノーマルガチャ」やコインで引く「スーパーガチャ」をはじめダンジョンを探検する途中で手に入れる事ができます。カードの形は正方形になっていて、レア度によってカードの強さが異なります。
例えばノーマルカードとレアカードはこんな感じです。
探検ドリランドは、レア度によりキャラクターを描き分け、レア度の高いキャラがより魅力的に見えるような工夫がなされています。ポイントは3つ「カードの面積におけるキャラクターの占有率」「キャラクターの構図や装飾」「色彩や背景、エフェクトなどの効果」が考えられます。
1.カードの面積におけるキャラクターの占有率
このカード面積におけるキャラクターの占有率が高ければ高い程、カードのレア度が高くなっています。
ノーマルやレアカードはそれほど大きく占有率が変わっていない印象ですが、SSレアになると背景がほとんど見えないくらい、カードいっぱいにイラストが描かれています。
2.キャラクターの構図や装飾
構図はノーマルは直立がほとんどですが、レア度が高くなるに連れて、キャラクターに動きが出ています。それに合わせて装飾も細かく描かれています。
3.色彩や背景、エフェクトなどの効果
レア度が高くなると装飾を凝るにつれ、配色のバリエーションも多くなっています。ノーマル、レア、スーパーレアの識別方法はキャラクターの後ろの背景で識別できるようになっています。ノーマルに比べてレアは光っている感じが出ており、Sレアは輝いているように見えます。またキャラクターの装飾部分や金属が光ったりなどエフェクトも施されています。
レア度ごとに、カードの面積におけるキャラクターの占有率や色彩数などが数値化されているかもしれませんね。
SSレアならキャラクター占有率は85%以上であること、色彩数は20色以上であること
など。
その他、イラスト全体を通して探検ドリランドはキャラクター制作において細かな仕様が指定されていることが読み取れます。
・キャラクターはカード内に全て収まること
・各パーツの着色は、基本色、影、ハイライトとなっていること
・光源は左上からが基本
・キャラクターは2~2.5等身であること
・キャラクターの周りを黒く縁取りすること
・キャラクターの顔のテイストは萌テイストであること
・キャラクターは基本的にコチラ(ユーザー)を見ること
複数の描き手がいる場合、絵師さんはそれぞれ個性を持っているのでどうしてもテイストを合わせるのが難しいですが、この細かな仕様によって、探検ドリランドのイラストのテイストが均質に保たれているのだと思います。
何気なく見ていたカードイラストですが、制作する際にかなり細かな設定をしているんでしょうね。なるほど!勉強になりました。
芝辻さんありがとうございました!!
株式会社フーモア 代表取締役社長 兼 漫画家 芝辻幹也
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