4.着色

疎と密を意識して描き上げる!フーモアのアートディレクターによるソーシャルゲームイラストの制作手順Part2

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読了時間2分

今回も株式会社フーモアの芝辻さんが執筆して下さいました。今回もフーモアで実際にどのような流れで絵師さんがイラスト制作をしているか具体的な手順を教えてくださるそうです。それでは芝辻さんよろしくお願いします。


こんにちは!芝辻です。フーモアのアートディレクターは実際に自身でもイラスト制作をしており、今回もイラストの制作手順を説明させて頂きます。イラスト制作において、一体どこにどれだけ手間をかければよいのか?は、描き手が悩むポイントの一つではないでしょうか?描き込んだのに過ぎで絵に強弱がなくなってノッペリしてしまい、そのくせ時間がかかってしまったり。。。逆に描き込み不足で手抜きに見えたり。。。今回はその描き込みの程度にたいする悩みに対して、「疎と蜜を意識する」という点に着目をしてイラスト制作を見て行きましょう。

今回も前回と同様にアニメ塗り系のイラスト制作工程となります。イラスト制作手順はオーソドックスに、ラフ~線画~着色~仕上げです。会員20万人を突破したファルキューレの紋章のヒュプノスというキャラクターの制作を例に見て行きましょう。

※イラストの大まかな制作手順は過去の記事を御覧ください。

<アジェンダ>

0.疎な部分と密な部分とは?

疎な部分と密な部分とは?イラストで言うと、疎な部分には描き込みが少なく、密な部分には描き込みが多いということになります。

以下のラフイラストを見て下さい。このキャラクターの肌が露出している部分は、描き込みが少なく「疎」になっています。洋服を来ている部分は描き込みが多く「密」なっています。また背景もソファー部分は描き込みが少なく「疎」になっています。足元の宝箱や後ろの壁部分の模様などは描き込みがされていて「密」になっています。

これらの「疎」「密」をコントロールすることで、絵の強弱を付けることができます。印象的な絵などは、この強弱のバランスが非常に上手くとれていることが多いです。

カードイラスト枠内のキャラの構図や服装及び装飾の描き込み、背景の描き込み等によって、この「疎」と「密」をコントロールしていきます。

ポイントまとめ

  • 描き込みが少ない「疎」、描き込みが多い「密」をコントロールすることで絵の強弱を付ける
  • キャラ構図、服装や装飾、背景などの描き込みによって「疎」「密」をコントロール

1.ラフ段階で疎と密な部分のアタリをつける

指示書を元にラフを起こしていきます。まずは以下のラフをご確認下さい。あまり時間をかけずに、背景、キャラをざっくり描いていきます。ざっくりですが、相手に伝わるようにしています。

このキャラクターは寝そべっている構図だという指示だったのですが、そのまま真っ直ぐ描いてしまうと、構図的に面白くないため、身体をややクネラせてS字にして、右足を立てることで太ももアタリの線の密度を濃くするように意識しました。

このラフ段階で、あれこれ手を動かしながら「疎」と「密」のバランスを考えて描いていきます。ラフを描いていくと「密」な部分には迷い線が集中していることが多いので、どこが「疎」になり、どこが「密」になるかを何となく線画に入る前にイメージをしておきます。ラフ画に迷い線(同じ箇所に複数の線が存在すること)が多いとイラストをチェックして頂く方にイメージを伝えづらくなってしまうので気をつけています。

このラフは胸の中心や肘、腰アタリに線が集中し「密」になりそうです。

ポイントまとめ

  • ラフ段階から「疎」と「密」のバランスを考えながら描く
  • 迷い線が集まっているところが「密」部分になりやすい

2.線画を一度描き上げた後、俯瞰し、密部分を描き込む

ラフのOKが出たので線画に進みます。服のシワなどは着色で調整することが多いので、必要最低限に抑えて線を描いていきます。この線画の場合、背景とキャラの境界を強くしたい意図があり、キャラのアウトラインを太めにして描いています。

こちらの線画は少しの立体感を出せるように線の繋ぎの部分、くぼんでいる部分などに陰影をつけながら描いていきます。こうすると線画だけでも物足りなさがなくなります。

ラフであった迷い線もなくなり、「疎」な部分と「密」な部分がはっきりしました。ここで描き込みを増やすことはせず、一度線画を俯瞰して見てみます。すると下の図のように「疎」(青部分)と「密」(赤部分)の分布が分かります。

全体的に「疎」な部分が多くシンプルに見えるので「密」な部分周りを描き込む形で装飾を加えていきます。描き込みを行う際、「疎」に描き込むのではなく「密」な部分により描き込みをすることで、「疎」が強調され強弱が付きます。そうすることで、少ない描き込みでイラストのクオリティを上げることができます。例えば、胸を強調するため、胸の中心部分の「密」な部分周りに描き込みをしました。

これで強弱が出てバランスが取れたので着色に進みます。

ポイントまとめ

  • 線画を一度描いた後俯瞰をし、「疎」・「密」のバランスを調整する
  • 密」な部分により描き込みをすることで、「疎」が強調され強弱が付き、クオリティを上げることができる

3.着色でさらに疎と密の強弱をつけていく

上記線画からベースの配色をしていきます。パーツごとに塗りわけをしていきます。カードイラストの大きさに対しキャラが占める割合がやや低かったため、キャラの表示領域を大きく出来るように修正もしました。

次に影やシワを光源を意識しながら塗っていきます。シワ部分などでは光と影が細かく織り交ぜられるので、塗り込むことで「密」にしていきます。このようにして着色でもさらに強弱をつけていきます。

最後にクオリティを上げるために服や髪の毛のハイライトを細かく入れていき完成です。

描き込む場所「密」、そうでない場所「疎」のバランスを意識しながら描くとよいイラストが描けると思います。
是非参考にしてみてください。


なるほど。イラストを見る時の観点がもう一つ増えました。確かにゴチャゴチャ描き込んであると、ぱっと見た時よく分からないですもんね。芝辻さん、またよろしくお願いします!

株式会社フーモア 代表取締役社長 兼 漫画家 芝辻幹也
HP:http://whomor.com/
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作成者: shibatsuji

株式会社フーモア所属。漫画家担当。イラスト制作などをしながら自社サービスを開発中。

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