アートディレクター(AD)になるまでの道のり~巡ってきたキッカケとチャンス~

皆さま、どうもこんにちは。
弊社の登録作家さま4000人強ほどご登録いただいている中で、
登録番号3番のzintt.(じん)と申します。

このPNの由来は、お酒の名前の中で”ジン”という響きが一番好きだからです。
お酒自体も飲みやすくて好きです。
スペルは間違っているわけではございません。
しかしながら、一番好きなお酒はテキーラです。笑

さて、ふざけた前置きはこのくらいにして。。。

今回は、もともとディレクターだった私が
弊社のアートディレクター(AD)になるまでという題材でお話しをさせていただければと思います。
少々長くなるかと思いますが、誰得なんだと思わずにお付き合いいただけたら嬉しいです。

■フーモアとの出会いときっかけ

初めて芝辻さんと出会ったのは大学3年の頃、秋葉原のラーメン屋でした。

その当時、今のフーモアがあるかないかくらいの頃で、
大学の掲示板でイラストの仕事に関われる的なスレッドを見かけて参加したのがきっかけでした。
イラストの仕事で生きていきたいと考えていた私には実績を作るいい機会です。

少ないメンバーで、ああでもないこうでもないと一緒にものを作っていくのは
当時の私にとってとても良い経験でワクワクしたものでした。
「何かを自分の手で作り出していくことがやっぱり好きなんだな」
改めて認識させてくれたのが芝辻さんでした。

ただ、そんな中で他社と掛け持ちをしていた私。。。
どちらも仕事が進むにつれて両立が難しくなり、
フーモアの案件からフェードアウトしてしまいました。(この恩知らずめっ!
後ろ髪を引かれつつ心の中で陳謝する日々を過ごしながら大学を卒業して数ヶ月。
「あれ?就職できてないぞ。。。」

どうしようかな~とふらふらしていたところに1本の電話が。
声の主は芝辻さんでした。
フェードアウトして役立たずの私を覚えてくださっていたのです。
無事に会社を立ち上げADとしての人材を探しているとのことで
興味がないかと私に声をかけてくれたのでした。

しかしながら、独学でそこまで技術も自信もない私にはクオリティ管理なんて!
「人様の作品に手を入れるなんて!!恐れ多い。。。!!!」
ということで、一度お断りしようとしたのですが、折角のチャンス。。。逃していいわけないっ!
そう考えた私は正直な自分の不安をお伝えするとともに、
強い意志を込めて自分を試して欲しいと提案したのでした。

そこから、まずは作家として取引していただけるようになり、
何回か会社にも訪問させていただけるようになりました。
ちょっとずつ段階を追って3ヶ月の試用期間を設けてお世話になることになりました。

■ADになる前のディレクターとして歩み

とはいえ、まだADになるには程遠い道のり。
まだまだADになるには力不足も甚だしいところです。
そこで手始めとして提案されたのがディレクターでした。

私が直ぐにでもADになりたいと言わなかったのには技術不足の他にもう一つ理由がありました。

それは、視野が狭まるのではないかということでした。

社会人経験すらない私が、今ここで社会という大きなくくりの中の
会社という小さな組織の中のADという更に小さな組織世界だけに入って留まってしまったら、
ひょっと違う世界に出た時に「めちゃくちゃ怖くね?」と思ったのです。
内にこもって他の世界を見ず、経験せずに1つのことだけに目を向けて生きることに恐怖を感じました。

・ADの業務は主にクオリティ管理です。

「他の過程をすっ飛ばしてそこだけやって生きていくのか?。。。怖すぎるっ!!」
ひとまずは1つの作品ができるまでどういった経緯で納品になっていくのか
全体を把握しておいた方が良いと思ったのです。

「ただ知っている」のと「経験する」ことではかなりの違いがあると思っています。
その当時、どんなことが経験できるかなんて細かいことまでは想像できていませんでしたが、
AD業務だけやるよりもその方が自分の血肉になっていくだろうと考えたのです。

また、もともと人見知りが激しく人間嫌いな私。
コミュニケーションに難があるって社会人としてわりと致命的だと自覚しておりました。
だったらもうついでに自分の欠点も改善して、より身のある人間になりたいと意識するようにしました。

全体が把握できてコミュニケーション能力も養えてイラストから離れずにADに近づける仕事。。。
「それってディレクターじゃね?ええやん。。。」
そう考え、まずディレクターとして歩み出すことを決意したのでした。

最初の業務は指示書の制作からでした。
毎月30枚強、1~2週間かけて作るのですが、これがなかなか大変です。
キャラクターの個性を活かしつつ、カードイラストとして映える参考画像をひたすら探すのです。

ポーズだけでなく衣装の飾りや背景・表情まで考えます。苦行です。
何が辛いってネタが尽きた時が1番辛いのです。苦行です。
ポーズがかぶらないようにしなければなりません。苦行です。

でも、その苦行のお陰で構図の引き出しは増えたかと思います。
妄想力も身につきました。

指示書の制作に慣れてきた頃、作家さまとのやり取りを任せていただくことになりました。
こちらもなかなかに大変です。

宛名を間違えていないか、失礼な文章になっていないか、
Enterキーを押すまでに何回も何回も読み返したものです。
なかなか個性の強い方が多い職種ですので、振り回されることもしばしば。。。

もちろんやり取りの中で嬉しい言葉をかけてくださる方もたくさんいらっしゃいました。
クライアントさまからの重たいフィードバックをどう柔らかく伝えるか、毎日頭を抱えたものです。
ハゲるかと思いました。

ここまでくるとどんどん新たに任せていただけることが増えてゆきます。
クライアントさまとのやり取りにも関わらせていただき、
MTGにも参加させていただけるまでになりました。

ここから更に苦行の始まりなのです。
クライアントさまの要望も叶えてあげたい気持ちと、
作家さまの負担とで板挟みになります。
そこから発生すr(以下略

言葉の表現力と忍耐力はかなり鍛えられます。
ハゲるというより心臓に毛が生え始めます。

「試用期間中なのに、あれ?気付けば終電??
あれ?今日って土曜日?なんで仕事してるんだろう。。。
ってもう日曜日じゃん!うわー月曜日始まっちゃったぁー!!」

というカオスな日常を送りつつも、無事に正社員としてお世話になることとなりました。
その正式なお話しをしていただいた時もラーメン屋でしたね。

■ディレクターからADへ、転身の始まり

試用期間を終えて、やっとここからがスタートラインです。
ここからが華麗なる転身への始まりですっ!

ここまで完全にディレクターとして生活しておりましたが、
最終目標を忘れたわけではありません。
ADになるために動き出さねばなりません。
とはいえ何からはじめようか。。。

あ、そうだ。意思表示から始めよっと。
入社の挨拶も含めて「私、ADになりたいんですっ!」と
社員の会う人会う人に言って回りました。
部署関係なく、新しく入ってきた方にも「私、ADになりたいんですっ!」と言い続けていました。
職種全く関係ないのにプライベートでも言っていましたね。

※もちろん、それだけで転身できるわけではありません。

■それまでの業務に一工夫

普段の業務も工夫しました。
入社前まで作家さんから届いたデータを単純にADに回すだけだったのですが、
答え合わせするようなゲーム感覚でADがどうやってFBをするか、
自分だったらどうFBするか考えた提案を記載したボールを回すようにしました。

最初はなかなか見つけられなかった改善点が、
数を重ねるごとにどんどん見つかるようになりました。
作家さんのクセとかもわかるようになってきてなかなか面白い体験でした。

それが定常的になった頃、自分でできそうな簡単な調整などは
ADに回さず、自分で調整して進行させたり。
あまりにも大変そうなものは自分で指摘点をまとめて
ADに回す前に作家さまに戻す作業もやり始めました。
簡易的な赤入れをしてADに確認してもらったりもしていました。

■AD化計画のスタートとチャンス

そんな1人ADごっこを見てくれていた人がいたんですね。
私のAD化計画なるスレッドが立ち上がり、
チャンスが舞い降りてきたのですっ!
ただ、この道のりもなかなか険しいものでした。。。

※与えられたチャンスタイムは3ヶ月間

<1ヶ月目>

  • 600万円分の案件を回す
  • 1件実績を作る
  • 隔週での2時間程度のAD業務
  • ADチームリーダーの評価基準合格(40点)

<2ヶ月目>

  • 600万円分の案件を回す
  • 1件やや難易度の高い実績を作る
  • 週2日の午前中AD業務
  • ADチームリーダーの評価基準合格(60点)

<3ヶ月目>

  • 300万円分の案件を回す
  • 1件難易度の高い実績を作る
  • 週3日の終日AD業務
  • ADチームリーダーの評価基準合格(90点)

最初の1ヶ月目はまぁダメダメでした!!
まず、ツールの使い方がわからんという初歩的なところでつまずいたのでした 笑
フォトショでずっと制作していたのでsaiの使い方を知らなかったのです。。。

そして、定常のディレクション業務に加えて、土日での社外制作。
ほぼ寝る時間も遊ぶ時間もありません。
FBがくる度に自分の力不足を痛感させられました。。。

それでも楽しんで月ごとのミッションをクリアすることができたのは、
イラストを描くことが好きで、私に期待してくれる人がいたからだと思います。
あとは根性と負けず嫌いですかね 笑

3ヶ月目の後半頃に、AD業務時間外にも関わらず、
私の手を借りたいと頼っていただいた時はとても嬉しかったです。

最終的にはディレクターとして担当していた案件の一つを
ディレクションからAD業務まで通して1人で担当していて、
「え、なにこれ?1人で全部やっちゃってるじゃん、え なにこれ・・・」という不思議な感覚でした。
それも信頼いただいていたからこそ、できたことなのかなと思っています。

■ADへの異動から1年たった今

ADとして異動してから1年ほど経ちましたが、
まだまだ技術的には未熟で足りないことや学ぶことがたくさんありますが、
充実した日々を過ごすことができています。

これからもスポンジのようにどんどん吸収して、
作家としても社会人としても素敵な人間になれるように精進して生きたいと思います。

それでは、長々とお付き合いくださりありがとうございます!!

P.S
最後に私の入社前(2012年)と入社後(2015年)の比較イラストを置いておきます。
成長してると感じていただけるかな。。。ドキがムネムネ。。。

お わ り

それでは次回をお楽しみに!

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