人工知能だAIだとかなり話題になってきているので、漫画に関しても応用出来ないかと考え始めています。（東大の先生でそのような研究をしている方がいらっしゃるとか…）
特に最近は人工知能を用いた「アルファ碁」がプロ棋士を倒すなど、注目が集まっていますね。Googleが絵画を描くなど、人間にしか成し得ない領域だと思っていたところにも最近はグイグイ来ている印象があります。
小説にも人工知能が入ってきていて「きまぐれ人工知能プロジェクト 作家ですのよ」が創作した小説が、星新一賞の１次審査を通るものの受賞ならずでしたが、快進撃が進んでいます。
昨日ICC tokyo 2016のイベントに参加させて頂き、学び深いセッションが多い中でSession3B「最先端研究の動向（人工知能/コグニティブ/IoA）」を傍聴した時に思ったことを共有したいと思います。
※因みに私もスタートアップカタパルトに登壇させて頂きました。
上記セッションに参加されていた暦本先生によると、人間の能力を拡張するのが拡張人間（Augmented Human）なのだそう。例えば、ドローンの目線をジャックしてあたかも自分がドローンであるかのうように空を飛んでいる体験を可能にしたりするというはそれにあたると。
程度の話になってしまいますが、空を飛べない人間が、自身の身体能力を成長させる他に、頭で考えて揚力を上手く活用できれば飛べるという発想から飛行機を作って空を飛べるようにしたというのもある意味上記と同様かもしれません。
暦本先生曰く
人間単体より、人工知能単体より、両者の組み合わせが強い。
エンゲルバート、マクルーハンも人間を拡張する大事さ説いた。
人類が道具を発明したのではなく、道具が人類を発明した。
漫画家もこの能力を拡張させたらどうなるのだろうか？
昨日のセッションの中で、デザイナーの話が出たが、それが近いのかもしれません。
どういう話だったかと言うと、デザインの作業自体はAIが行い、その良し悪しの判断を人間が行うというもの。
マンガも同様なことが可能になるかもしれません。
それぞれチェックすべき工程ごとにAIから様々なパターンやアウトプットを出して上げてその良し悪しを人間が判断する。
-テーマ選定
-キャラクター設定
-ストーリー設定
-プロット作成
-ネーム作成
-（下書き）
-ペン入れ
-効果線やセリフ入れ
各工程のアウトプットをしっかりとさせるためには学習するためのインプットが必要だと言うことなので、今までのマンガを全て情報としてインプットし、売れ行きやエゴサーチ情報なども入れ込んだ上だとそれなりのものが上がってくるかもしれません。
そうなると、漫画家自体は各工程の判断及び調整などを行えばよくなるため、一人が描ける漫画の生産量が上がる未来が来るのかなと思います。
あとはこんな応用も。
例えば続きが読みたい漫画でなかなか連載が進まないものの続きを、あたかもその先生が描いたように読めるようになることも可能になりそうです。
ハンターハンターなど、連載再開でかなり盛り上がりましたが、今までのハンターハンターの情報を全てスキャンし、インプットするとAIがしっかりとゴンやキルアなどを描くことができ、その続きから、完結編までを仕上げてもらうことができる日がくるかもしれません。
もしあの時、ネテロが王を倒していたら、みたいな条件を入れて、分岐した世界も読める日がくるかもしれません。
そうなってくると、同人に近い領域になってきますが、作家性とかなんなんだろうと思うと少し寂しく思ったりします。
AIの種類によって矢立肇のようなペンネームが存在して作品を作る日が来るのだろうか。。
上記のようなことは恐らくネットワーク上で行われて行き、誰でも漫画が創れるような世界はくるかもしれません。それまでしばらくはネットとSNSの発達により人間と人間の間のネットワークで近しいことが行われ、まるでバクマンの七峰がやっていたようなにネットを駆使して漫画を作るようなことがそろそろ現実的に起きてもおかしくないなと思いました。これをIoA(=Internet of Ability)と呼びます。
絶対こんな風にはならないと言う意見も出てきそうですが、意外にもう近い未来なのかもしれません。
終わり。
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