マンガ×分散型メディアは成立するのか?

最近、Facebookを眺めると、フィード上で動画をよく見かけるようになりました。
これは「分散型メディア」と呼ばれる、メディアの一種のようです。
ホームページを作って集客するのではなく、SNSなど人がいっぱいいるところに動画コンテンツを直接流しちゃえばいいじゃない、という考え方でしょうか。
日本では先月「DELISH KITCHEN」を運営するエブリーさんが6.6億円の資金調達するなど、料理やニュースなどの分野が活況のようです。

フーモアでは、マンガで世界中に感動を与えることを目指しています。
マンガでもこの分散型メディアを使って何かできそうです。しかも、これならいきなり世界に届けることができそうです。

東南アジア向けに分散型メディアを作ってみた

早速、Facebook、Instagram、Twitter、weiboでアカウントを開設し、東南アジアの10代をターゲットに、分散型メディアを作ってみました。
ちなみにFacebookを中心に1ヶ月運用した結果、今では20万ファン、200万再生、6万エンゲージメント(いいね、シェアなど)まで成長しています。
動画の平均完了率も80~100%、コメントやビジター投稿なども活況で、なかなか楽しんでもらっているようです。

https://www.facebook.com/SpeedMakings/
(東南アジアの若者はあまりTwitterにいないようです。また、中国は規制があるため、weiboという中国最大のSNSで別展開する必要があります。ひとまずは、Facebookを主戦場にしています)

何がウケて、何がウケないのか?
まだまだ実験は途中ですが、経過をまとめました。

実験1: イラストメイキング動画

マンガは1本制作するのに時間がかかるため、まずは、マンガの最も重要な要素であるキャラクターを使ってみます。
料理分野の分散型メディアに習って、イラストメイキング動画を作ってみることにしました。
メイキング動画なら、非言語ですので様々な国の人に楽しんでもらえそうです。

実際に投稿したもの

https://www.facebook.com/SpeedMakings/videos/1568642920102185/

https://www.facebook.com/SpeedMakings/videos/1573964842903326/

https://www.facebook.com/SpeedMakings/videos/1575599986073145/

分かったこと
・仮説通りイラストのメイキング動画は国に関係なく楽しんでもらえる
・特定のキャラを15~20秒間見続けさせることが可能で、認知や刷り込みがしやすそう
・イラストの書き込みの量(≒クオリティ)はそこまで多くなくてもよい
・作る過程を見ることで真似したいというユーザーも多く、ユーザー参加型へのきっかけにも使えそう
・ただし、ただのイラストメイキングは2~3回見ると飽きる

どの投稿も概ね好評でした。
キャラクターの認知を上げる手段としては非常に有効かと思います。
単純接触効果を狙って、同時多発的にキャンペーン展開するとより効果が出そうです。

ただし、イラストの場合、料理のように毎日見る必要がないため、飽きるという問題が常につきまといます。
こちらに関しては、「イラストそのものの情報量を上げる工夫」が必要です。
現在は、こちらについてトライ・アンド・エラーを進めていますが、解が見えて来ています。

実験2: マンガ×分散型メディア

マンガで動画といえば、一時モーションコミックと呼ばれるものが流行りました。
マンガ家の描いた絵に色を付けて、声優が音声を入れ、動きや音楽で演出した動画コンテンツです。
例: https://www.youtube.com/watch?v=NePQkaIWCpE

ただし、これは制作に膨大な手間とコストがかかってしまいます。
紙からWEBへ移行にするにあたって、フルカラー、声付き、BGMなど、演出を強化することが多いですが、、、
実は、演出は最低限でいいのは?
もしかして、ネームや下書きの段階でも十分面白いのでは?
ということで、2パターンほど試してみました。

実際に投稿したもの

https://www.facebook.com/SpeedMakings/videos/1578246365808507/

https://www.facebook.com/SpeedMakings/videos/1577982152501595/

分かったこと
・演出は最低限でも、動画は十分見られる
・ネームや下書きでも十分見られる
・コメントでユーザーとの会話が生まれる
・続きはこちらとURLを貼っても遷移はあまりしない(そもそも分散型メディアとはそういうものですね。。)

まだ、1つしか試してませんが、ネームや下書きでも十分見られる、というのは意外な結果でした。
紙面よりもスマホ方が画面が小さいため、書き込みや絵の上手さなどそこまで気にされないということでしょうか。
扉絵さえちゃんと描けば、脳内で補完して十分楽しめそうです。

簡単ですが、以上になります。
動画は、「気が付くとエンターテイメントが始まっている」という点で大きなアドバンテージを持っていると思います。
マンガもスマホに最適化した縦スクロールなど、新たな形が少しずつ登場していますが、
受動的な観るではなく能動的に読む必要があり、主体的にページをめくるという工数が必要など、まだまだ改善の余地はありそうです。

フーモアではこれからもマンガの新しい形を模索し続けます。
実は分散型メディアもパートナーとともに水面下で新たなトライ・アンド・エラーを繰り返しています。
また、まとめて発信しますね。お楽しみに!


フーモアでは漫画家さんや漫画編集者の方や新しいスタイルで漫画を創りたいメンバーを募集しています。
ご興味がある方は漫画家さんはこちらから、漫画編集者の方はこちらから、その他事業を一緒にやりたい方はこちらからお願いします!

お問い合わせはこちらまで