レッドオーシャン化する韓国のwebtoon市場

縦スクロールのマンガの発祥といえば韓国ですが、市場環境はかなり厳しくレッドオーシャン化しているようです。

ベンチャー企業の参入の流れや、後発大手の参入などを今回はまとめたいと思います。
昨年の12月に韓国のLezhinComicや大手ゲーム会社、ベンチャー企業など、webtoon市場に参入しているもしくは検討していた方々へのヒアリングのまとめでもあります。

事前の韓国市場に関しては以下のブログに詳しく記載してあります。
韓国マンガ市場の今!急成長中の韓国WEBTOON(デジタルコミック)市場とは!?人気作品は映画化され、700万人の観客動員も!

韓国市場は厳しすぎる

大手の参入が一周し、現在祭り状態。NAVER、DAUM、ネイト、KAKAOが大きく、ここが抱えているユーザー層が作者に対しての寄与度が強い状態です。
そのせいもありベンチャー企業などは集客が難しくなってきているようです。
作家さんに対して支払う原稿料も上がってきており、高いプラットフォーム(以下PF)だと毎月数十億ウォン(数億円)レベルで支払いがなされている状況。
高いところだと一人あたり60~70万円/月、払っているところもあるとか。それを払えないとクオリティの低い作家さんしか雇えない状態になっているようです。

ジャンル特化型PFで攻めるベンチャー企業

韓国のLezhinやTOPTOONは一定のジャンルに絞る方法で市場に参入しました。
それぞれに特色を出してPFを運営しています。

品質の良い上品なアダルトコンテンツで攻めたLezhinEntertainment

Lezhinは結果的にアダルトで参入しました。ただのエロではなくストーリー性のあるもの。そしてそのコンテンツを選ぶ目が非常に良かったようです。

Lezhinの社長は編集長でもあり、オタクで有名でした。エヴァとガンダム馬鹿で、オタクだけどもエロい発言をするのが上手いです。
どのように上手いかというと女性の反感を受けない内容を呟いており、それもあって社長のファンが多く付いていました。

だけど事業をやろうとしていませんでした。ある方がキッカケで説得を受けLezhinComicsを始めたという経緯があります。
当時の韓国Webtoon市場ではコンテンツ課金型の有料モデルがなかったのですが、有料をいきなりはじめたのがLezhinでした。

作品の品質が非常に高いアダルトコンテンツだけを集め、それに社長に元々付いていたコアファンで集客が出来たため、初期のLezhinはユーザーさんのハートを掴むことができ、ユーザーさんからの課金に成功したのです。

結果Lezhinは2013年韓国のスタートアップでNo1の注目度だったようです。

Lezhinは作家さんに7割還元しています。途中から著作権がうるさくないコンテンツや日本の出版マンガ(18禁)を仕入れ始めて、売上をさらに伸ばし始めましたが、途中からコンテンツの質に変化が訪れました。

いろんなPFに既に載っている作品をどんどん載せていってしまったのです。

一部のLezhinファンによると、LezhinComicsに掲載されている作品が品質の良い作品のキュレーション的役割を果たしていたので、安心してコンテンツを読んでいたのですが、コンテンツが増えたことにより、ユーザー自信が作品を探さないと行けなくなり、Lezhinが果たしていたキュレーション機能が失われてしまったというのです。
しかしながらLezhinは2013年当時難しいと言われていた、コンテンツ課金を成立させました。
以降韓国市場では有料モデルがが増えました。

なりふり構わずのTOPTOONはドエロで直球勝負


Lezhinより後発のTOPTOONは過激なアダルトに絞り参入して急成長しました。
Lezhinに選ばれなかった作者さんがTOPTOONに流れ始めて刺激的アダルトを描き始めたのです。
Lezhinは女性層が多いですが、TOPTOONは男性が非常に多いです。

TOPTOONは原稿料が高いので作家さんの満足度は高いです。
売上によって階段式に還元率を変えています(詳細分からず。。)

しかしながらブランド構築はLezhinの方が好感度が高く参加さんはLezhinで描きたいという思いが強いようです。

TOPTOONに関しては以下のブログに詳しく書かれていますが、過激なバナー等を出しすぎて韓国政府よりBANされかけたこともあるようです。
(Lezhinも一時期そのようなことがあったとか)
過激なアダルト路線以外にもIT技術とマーケティング力が高かったことも成功したキッカケのようです。

TOPTOON運営のTOPCOMICS キム代表インタビュー

大手後発参入のKAKAOは作家さんの単価を上げて参入。

KAKAOと言えばKAKAO TALKで有名ですね。
LINEが日本で流行る前はKAKAO TALKを使っていました。
今年の4月に日本のマンガ市場にも参入してきましたが、ピッコマというサービスで展開しています。

※そう言えばコルクさんのコンテンツ韓国系PFには殆ど載っている。。。

そんなKAKAOのWEBTOON参入はかなり後発で、韓国ではKAKAOpageというサービス名で展開しています。
戦略として作家さんの単価を上げてコンテンツを仕入れています。。
老舗のNAVERwebtoonの作家さんへの支払報酬は30~50万円/月程度に対し、kakaopageは60~70万円/月です。
これを受け、今の韓国webtoon作家さんはNAVERで一度デビューして、
その後その他のプラットフォームに行くような流れができたそうです。

以上まとめでした。

その他小さなベンチャー企業で頑張っている企業にも話を聞きましたが、なかなか厳しいとのことでした。マンガ自体を作るのはコストがかかるため、マンガよりはコストがかかりづらい小説にシフトしているとかいないとか

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