今回はイラストレーターの宗像久嗣様による男性着物の描き方講座をご紹介します!
この講座では男性の着物の描き方について解説していきます。
基本的な用語や着物の考え方については、女性編でも解説していますので参考にしてみてください。
今回は4つのステップに分けてキャラクターの描き方についてご説明します。
基礎編
◆男性着物の着付け
実践編
◆実際に男性着物を描いてみよう
◆その他
記事最後にはPalmieさん提供・宗像久嗣様さんによる解説動画も掲載していますので、
ご興味のある方はぜひご覧になってみてください!
最初に現代の定番の着付けについて説明していきます。
8等身の男性をモデルに解説していきます。
まず、襦袢を着ます。
丈が長いものを長襦袢、腰下まであるものを半襦袢といい季節に応じて使い分けます。
これを腰紐で軽く結わえます。襟元部分は半襟といい襦袢に付いているものです。
次に長着を着て上から帯を巻きます。
男性の正装といえば袴ですよね。
主に行灯や馬乗りの2種類があり、行灯はスカートタイプ、馬乗りはズボンタイプのものになります。
男性の場合は襦袢・長着・羽織・袴の組み合わせが大きく分けて5パターンあります。
実際に着てみるとこのような形になります。
右から羽織袴・袴姿・羽織姿・袴を着用しない着流し・襦袢を着用しない浴衣姿といいます。
右にいくにつれてフォーマル度が高くなります。
長着の丈は女性とは違い、男性は実際に着る丈となります。
このことを対丈といいます。
袖の丈は長着全体の約3分の1、実際にはそれよりもやや長めになります。
袖口の丈は袖全体の約半分が目安になります。
男性には身八つ口(きものの身頃の脇のあき部分)がなく、
代わりに人形といわれる縫われた切れ目部分があります。
おおよそ袖の丈の5分の1程度でしょうか。
それでは実際に着物姿、長着を描いてみましょう。
肩のライン・足の甲あたりに水平線を引き、その半分のところにも線を引きます。
肩の部分は首の横辺りから脇の辺りまでの幅を男性編ではおよそ3等分割しています。
中央の線を底辺とした三角形つくってみましょう。
頂点はのどのくぼみの少し下辺りを目安に襟を描いていきます。
この半分の位置を目安に、斜めに線を引きます。これが襟となります。
そのまま真っすぐに線を下ろすと襟下という部分になります。
あとは体のラインに沿って全体を描いていきましょう。
袖は手首が出るくらいに留めましょう。裾は大体足の甲くらいです。
帯の位置についてですが、比率でいうと位置はちょうど身長の真ん中あたりと考えて良いでしょう。
角帯は横から見ると前下がり・後ろ上がりにと言われますが、
どちらにしても上過ぎないようにすることがポイントとなります。
続いて、しわや着物の縫い目を描いていきます。
まずは脇です。
袖付の位置は袖口から背中の真ん中のちょうど中央辺り、襟にある縫い目も大体半分くらいになります。
続いては羽織です。ひざを目安にすれば良いでしょう。
羽織紐の位置も時代によって様々ですが、長着の4分の1程度で良いとも言われます。
着方の大きな違いは衣紋を抜くかどうかという違いでしょうか。
男性の襟が洋服のように首の後ろ側に沿っていることがわかるかと思います。
着物姿において大事な共通点があります。
それは襟元が右前で着るというところです。
※稀に男性は左前という話もありますが、そういう違いはありません。
着物で刀を身に着けた場合の解説をしていきます。
袴姿で帯刀した場合の横顔を描いたものです。
単色に色分けをしたものでどのように重なっているのかを確認してみましょう。
一番下から長着、脇差、次に帯(一巻目)、帯(二巻目)、刀がここに入ります。
帯(三巻目)で刀が固定されています。
次に袴です。刀は袴紐の下側ではなく上になるようにします。
最後にに袴の後ろ側ですが前側で結び、余った部分を緑色の紐に巻き付けるなどして調節していきます。
流派によって重なり方や差し方、角度などは細かく異なります。
場面によっても違うということを知っておけば良いと思います。
以上で男性着物の描き方講座は終了です。
ぜひ男性の着物姿に挑戦してみてくださいね!
最後までご視聴いただきありがとうございました。
普段は馴染みのない着物の構造から着付け方のポイントまで、
今までは知らなかった部分が多かったですが、分かりやすく解説していただけましたね!
皆さんも男性の和服姿を描く際は、ぜひ活用してみてはいかがでしょうか。
Palmieさん提供・宗像久嗣さんによる解説動画はこちらからどうぞ!
それでは次回をお楽しみに!