フーモアの芝辻です。1年半近くかけて、マンガのコマ自動切り出しツールを、阪南大学の北川先生始め、同大学院生の梶様、谷口様と、フーモア共同で開発させて頂きました。その開発経緯や具体的な内容をこちらで紹介していきたいと思います。
昨今電子書籍市場が成長していく中で、その市場を牽引しているのはマンガと言われています。
※日本国内の電子書籍市場規模
スマートフォン上でもマンガのプラットフォームが増えていく中で、一つの課題があると感じました。元々のマンガは雑誌や単行本のような大きな紙上で読まれていますが、スマートフォン上だとどうしても画面が小さく、拡大をしないと見辛いです。
世界的に見ると、webtoonと言われる縦スクロール型のマンガが主流となり、PCの他、スマートフォン上でも非常に見やすいマンガとして、お隣韓国を中心にその市場が大きく伸びています。
※縦スクロール型のWEBTOON
これによりマンガの描き方や表現の仕方など文法が新たに開発されてきております。フーモアではスマートフォンに最適化された形のマンガ作りをする傍ら、既存の紙のマンガもスマートフォン上で見やすくすることは出来ないかと、マンガのコマ自動切り出しツール「ミヅハノメ」を開発しました。既に一部ソリューションとしての提供を始めている他、特許も現在出願中です。
今回,フーモアと漫画のコマ切り取りシステム「ミヅハノメ」を共同開発した阪南大学の梶と谷口が、ブログを連載させていただきます。最後までお付き合いください。
皆さんは漫画を楽しんでいますか?
私達は、みなさんに漫画の新しい読み方を提唱します。
その方法として、新たに開発した画像処理システム「ミヅハノメ」についての連載をしていきます。よろしくお願いします。
ミヅハノメを紹介する前に、そもそも画像処理とはどういった技術なのか少しだけ説明したいと思います。
「画像処理技術」と言うと堅苦しく、難しそう聞こえますが、皆さんが普段使っているアプリケーションソフトやスマートフォンのアプリにも色々な画像処理技術が使われています。
例えば、漫画を描くことやイラストを編集するために利用しているドローソフトにも画像処理技術が使われていると言えます。CLIP STUDIO PAINT(1)やPhotoshop(2)などがそうですね。
他にも、スマートフォンで撮った写真を自動で漫画風に編集してくれるアプリ「漫画カメラ」(3)なども代表例の一つです。
(1) グラフィックスソフト 「CLIP STUDIO PAINT」
(2) 画像編集、デザイン制作アプリケーション「Photoshop」
(3) 撮った写真をどんなものでも漫画化する「漫画化カメラ」
それでは、そもそも画像処理技術はどのようなものなのか、みてみましょう。ご存知の方がほとんどかと思いますが、近年のデジカメでは自動で人の顔を認識する機能がついていますよね。また、高速道路での渋滞情報を提供するためのカメラにも使われています。このように画像の中からある特徴を抽出する仕組みが画像処理技術なんです。
今回紹介するシステムはそんな画像処理を利用した漫画をもっと楽しくするものです。
1.2で説明した技術を利用しコマという特徴を抽出するシステム「ミヅハノメ」を開発しました。実際に使ってみた結果を御覧ください。
このようにコマの分割が簡単に出来るようになりました。
次回からはこのシステム「ミヅハノメ」の必要性や凄さを説明していきます!お楽しみに!