こんにちは。CG開発室の鈴木です。
近年、UnityやUnrialEngineでのプリレンダリング表現の発表や、新ゲームエンジンの登場、オキュラス、PS4VRの発表など、面白そうな技術がどんどん出てきていますね。
触ってみたい技術が沢山あり、どれから試せばいいのか迷ってしまいます。
そんな中、去る先月3月11日に、ARIAjapan様主催のStingrayセミナーが開催されました。
今回は、弊社からはCG開発室の鈴木が参加をしていましたので、今更ではありますが、レポートをさせて頂きたいと思います。
が、その前に、最近ホットなゲームエンジンをいくつか紹介してみます。
以上、簡単にゲームエンジンを3本ご紹介させて頂きました。
ここから、ARIAjapan様主催のStingrayセミナーレポートにはいります。
はじめに、撮影・録音が禁止との連絡を頂いておりましたので、機材を持参しておりませんでした。
文面とリンクによる内容になりますがご容赦ください。
Autodesk社が2015年8月19日から提供を行っている、3Dゲーム開発向けの新ゲームエンジンです。
月額5000円で利用でき、ゲームのリリース後に料金がかかることはありません。因みに、MAYALTのサブスプリクションとセットだと、月額4000円で利用できます。こちらのが圧倒的にお得ですね・・・!
元々はBitsquid AB社のリリースしていたBitsquidというゲームエンジンでしたが、Autodesk社が買収をし、チューンを行ったものがStingrayエンジンになります。
Bitsquidエンジンは、日本では実績はありませんが、欧米ではタイトルがいくつかあるそうです。
Autodesk,ゲームエンジンメーカーのBitsquidを買収|4gamer
AREAjapanで連載されているコラム「Road to Stingray」のセミナーです。
「Road to Stingray」とは、Autodeskがリリースしたゲームエンジン「Stingray」を使用して、
ゲームを作っていく過程を紹介するドキュメンタリー企画です。
会場・秋葉原UDXセミナールーム。
会場のシアタールームは外部エスカレーターで4階に上がり、一番突き当たりにあります。
会場内の様子
写真が悪いですね・・・。
事前に頂いていたメールでは写真、録音などは禁止と連絡が来ていたのですが、講演中の写真撮影が可能でした。ですが、音の出ないカメラ前提でという話でしたので、今回は断念しました。
・株式会社GUNCY’Sさんが進めているStingrayを使用して開発を進めるドキュメント企画
・AREAJAPANにて定期的に過程を公開中
・今後Stingrayを使用してゲーム開発をする上での見本となるようにプロジェクトを進める。
株式会社GUNCY’SさんHP:http://www.guncys.com/
4月11日現在、第7回までがアップされています。続きが楽しみですね!
また、現状のプロジェクトファイルをGITHUBに公開して下さっているようです。
今後も公開を続け、なんとゲーム完成・リリース後も公開をして下さるそうです。
内容は、3部構成でお話をして頂く事ができました。
以下、それぞれの内容につきまして、少しずつ触れてみます。
登壇者:谷口 直嗣さん
スライドをアップして下さっていました。
内容としては主に開発ライン・フロー全体のお話をされていました。
Flow/Luaの使い回しやStingrayでのゲーム設計等、TD的な視点からのレビューとなっていました。
・感想
Autodesk社がリリースしたどちらかといえばアーティスト向けなゲームエンジンではあるが、ロジックのようなプログラム的なものもしっかり書け、デバックもある程度容易であり、他、ゲームエンジンとして必要な要素も揃っている。
デザイナとプログラマがキチンと分業して制作を進められる環境になっており、ゲーム開発が可能なものにキチンとなっているのではないかと感じました。
登壇者:上原 達也さん
スライドをアップして下さっていました。
内容としては主にアニメセクションで行ってきた小技的なお話でした。
プリレンダリング向けであった補助骨の設定・NVIDIAphysXといった物理演算を使用したテストの公開・HumanIKの使用感のレビューといった大きく分けて3点が主な内容となりました。
・感想
実際に制作していく上で使用できるであろう箇所の技術紹介(かなりマニアックな箇所も含め)といった内容でした。
Stingrayを触る際には、サンプルデータをダウンロードし、参考にしてみたいと思います。
登壇者:ハヤシヒカルさん
内容としては主にシェーディングのワークフローでした。
Stingrayのプロジェクト内に各DCCツールに対するリンクのツールセットが入っており、それを導入することで、StingrayとDCCツール間の往来がかなり楽になりそうでした。
シェーディング周りで言えば、導入することでDCCツール内にStingray用のマテリアルが追加されるので、それを利用すれば、ノード等ほぼそのまま使えると考えていいそうでした。(一部ノードを除く)
また、1度Stingray側にインポートをしてしまえば、DCCツール内で更新をすれば良いだけになり、毎回書き出は不要になります。
ルックデブについて若干触れられましたが、Skyboxの切り替えやライトの設定はかなり楽にできそうでした。
Bloomの処理がかなり綺麗に行われており、好感が持てました。
・感想
ほぼ3dsMAXを利用してのシェーディングの話ではありましたが、StingrayとDCCツールの互換性についてみることができました。
高度な設定となると持ち込むことができない等ありますが、実機との往来が簡単にでき、調整の高速化が図れるのではないかと感じました。
また、Autodesk社がチューンしているだけあって、DCCツールとの互換性がある点が良いと思いました。最近になってMayaLTやMaya2016にも実装されていますね。
今後のアップデートで、互換性のある箇所が増える事に期待です。
ドキュメンタリー企画のセミナーということで、もっと制作の流れや苦労した箇所の全体的な紹介になるかと思っていたのですが、ピンポイントな技術発表という面が強かったように感じました。
ですが、MAYA・Stingrayのノードの互換性などの説明もあり、DCCツールと互換性が強く、デザイナー目線で構成されているStingrayを使用するメリットを、強く感じる事が出来ました。
また、実際に使ってみてどう思ったか、開発者の生の声が聞けたのは、本当に良かったと思います。
いかがでしたでしょうか?
現在弊社では、受託業務が基本と言う事で、需要の高いUnityの対応をしております。
市場においては、アプリはUnity・コンシューマはUnrialEngine4といった需要が多くあります。
ですがその様な状況下で、今回ご紹介したStingrayだけでなく、アマゾンからもAmazon Lumberyardという新ゲームエンジンが発表され、続々と市場に新しいゲームエンジンが投入されています。
更に今年はVRの登場もあり、今回ご紹介したStingrayやAmazon Lumberyardが、ゲームエンジンにとっての新しい風となりえるかもしれませんね。
Stinglayのセミナーも徐々に増えてきていますし、業界内でも研究を始められている方は多くいるのではないでしょうか。
Mayaや3dsMax,MotionBuilderと連携できるStinglayはかなり気になるエンジンなので、是非弊社でも研究していきたいですね!