マンガビジネスにAmwayなどのネットワークビジネスを応用できないかと考えた結果・・一周する

マンガのビジネスを考えると、単行本で収益を上げて、原作として他のメディア(ドラマ化、映画化、ゲーム化、グッズ化など)で展開しIPとして育てて大きなビジネスにしていくのが一般的かと思います。ワンピースとかドラゴンボールくらい売れれば、マンガビジネス単体でも全然大丈夫なんだと思いますが、再現性が得られ辛く、ボラティリティが高いなんて言われてしまいます。

車輪の再発明かもしれませんが、他のビジネスを参考に新しい出口を作ることが出来ないものなのでしょうか?例えばスマホのゲームはガチャの発明があったと言われ、ビジネスとして爆発しました。音楽はCDが売れなくなった分、ライブ(イベント)という高い付加価値を付けて市場を伸ばしています。

マンガビジネスにおける、「ガチャ」や「ライブ」の発見、発明が期待されています。

ということで別のビジネスを組み合わせて考えてみようと思います。

紹介ビジネスとマンガ

ねずみ講というのがあります。
言い方をよくすれば、「紹介ビジネス」ですね。

有名なところでAmwayがあります。(注意:私はやっていません、やったこともありません)
Amway本体が、広告宣伝費を使わない分を、紹介者への報酬にまわしていて、口コミで広めるシステムです。たしかに物はいいものが多いです。

凄いなと思うのはAmwayというだけで全ての商品が信者的な人が多いことです。東芝製品が好きで、全て家電や電化製品を東芝で集めるのと同じですが、家電においてはそこまで信者的に集める人は少ないんじゃないかなと思います。

特にAmwayはサプリメントや浄水器は質が良いと言われています。

サプリメントは、会員の方はトリプルXという主にビタミンからなるサプリ(1ヶ月分8960円)と、ニュートリというプロテイン(1か月分4320円)がほぼ必須購入となるようです。
会員が毎月3万円を購入することで、報酬説明がなされることからも、この3万円分は盲目的に買わなくてはならないものです。

ミネラルを通して、他を全てろ過する浄水器は、Amway以外では、レストランなどで使う業務用しかないです。10万円くらいしますが、業務用の数十万に比べれば、格安においしいお水を飲むことができます。

さて、Amwayビジネスの根幹は報酬プログラムがあるためですが、会員さんは全てAmwayを使って、それを更に人に進める、そのセールストークも用意さいます。

マンガに応用すると、ある出版社だけのマンガを売ってもらえる報酬プログラムがあり、会員は全てその出版社のマンガだけを買い、更にそれを人に進めるとなります。普通は買わないマンガも報酬制度があるからそのマンガも買うなんてことが出てくるかもしれません。ビジネスとしては美味しいのでいいのですが、少し厳しい気がしてきました。七つの大罪を読みたいのに、それを否定して、別のファンタジーを買うなんて。。

マンガは「出版社ごとの信者」はそこまでいない印象を持っています。どちらかと言うと作家さんに対しては信者が多く、その作家さんの作品なら有無を言わず作品を買う人はいるのではないでしょうか?(私で言うと熊倉裕一さんや伊東岳彦さんは有無を言わず買っていました。最近は何をしているのでしょうか。。。音楽だとローリー寺西ですね)

とするとマンガの場合、出版社ではなく、作家さんごとに報酬プログラムを組んでやるのはありかもしれません。課題は漫画自体の生産量や単価感、個人主義的になっているため、ビジネス的に協力して頂ける作家さんがどれだけいるか、ということになります。

そもそも単体のマンガはマジョリティにウケるのが難しくマイノリティだということ

以前マンガの面白さを数字で分析をしましたが、

歴代少年マンガで最も面白い漫画は何か?発行部数と巻数と連載期間から抽出したマンガの「面白さ度」の指標を定義してランキング化してみた。

発行部数÷発刊数

の数値を出すと、ほとんどのマンガが100万部/巻以下ということが分かりました。
マンガの1巻を買わずに3、4巻だけ買う読者さんはあまりいないわけで、そうすると売れているタイトルでも100万人程度のファンがいることになる。それはそれで凄いのですが、日本人口からすると1%程度に過ぎないということになります。

上記Amwayの商品は日常生活を送っている人なら誰でも当てはまりそうな商品なので買ってもいいとなる可能性が高いですが、マンガの場合、趣味嗜好が入るため、そうはならないということになります。

マンガの作品のジャンル等により、リーチ出来る層が限定されるため、全国民に全方位で口コミすることが難しく、Amwayのようなビジネスをするのが難しいということになります。

そう考えると結構効率が悪いマーケティングを強いられていることになるなぁと思いました。

結論はセグメントされたユーザー母体の形成とそこへのセレンディピティ的アプローチが良い?

以下のグラフを見ると、

[引用]2015年、紙の漫画雑誌はますます減少して20年連続減。電子コミックスは1100億円を超える規模に爆伸し、紙と電子を合わせると雑誌の三倍近くにまで差が付いた。http://d.hatena.ne.jp/soorce/20160327#p1

単行本は横ばい、電子書籍は伸びていて、雑誌が下がっているのが分かります。

雑誌は複数連載しているため、目的のマンガを読むついでに、他の連載しているマンガも読もうという動機が働くため、セレンディピティ(偶然の出会い)的に新しいマンガに触れることができていたため、新しいマンガを発見するという機能があります。また同時に新しい作家さんを発掘育成するという機能も持っています。

このまま雑誌が部数を減らし続けると、その機能が失われ、結果的にマンガのセレンディピティが起きず、露出をすれば人気が出ただろう作品も埋もれてしまい、結果的に単行本自体が売れなくなってしまう、という現象が起きかねません。

現状マンガの無料アプリは多数あるため、そこがその機能を担えれば良いのですが、今現状まだまだワンピースやドラゴンボールのようなヒット作が出てきていないところを考えると、この辺はビジネスチャンスなのかもしれません。

既に各社さん取組中のところかとは思います。

結論

どのような形であれ、本来の購入と同様、マスコミに侵されることも、口コミに侵されることもなく、自分が本当にいいと思って納得したものだけを購入すれば良いと思いました。


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